CV:堀江由衣
「百年前」の教令院の優れた学者であり、古典ギミック術学科を創設した者の一人。知論派でありながらギミックへの造詣が深いことでスメールで名を馳せている。…しかし、彼女のことよりも先にその栄誉は時代に忘れ去られてしまった。
誕生日:8月20日
所属:ハルヴァタット学院
神の目:風
命ノ星座:藤蔓の花飾座
名刺:封じられた秘密(ふうじられたひみつ)…「と、とにかく、次は質問する前に先輩と呼ぶんじゃぞ!まったくもう…」
紹介文:「百年前」から訪れた学者。自ら好んで先輩と名乗り、各種古代文字や古典ギミックに精通している。
ある妙論派の教材を開くと、著者のページにはファルザンの経歴が記載されている。
「ファルザン――教令院の卓越した学者。スメール謎解き協会名誉賞受賞者。古典ギミック術学科創始者の一人。」
しかし、知論派の志望選択の話になると、先輩たちは眉をしかめてファルザンの現状を語る。
「ファルザンか…彼女の研究は時代遅れだ。審査を通りやしない。うちの学院に出願するなら、別の指導教員にしたほうがいい。」
その評価は雲泥の差で、不思議に思わずにはいられない。
後輩たちの問いかけに、ファルザン先輩はいつも意味深な表情を見せる。
「ん?この百年間で何があって、何故こうなったか聞きたいと?それは重大な秘密なんじゃ。ちと耳を貸すがよい。もっと近う寄れ、もっとじゃ…」
――そして、パチンとデコピンをお見舞いする。
「その好奇心は、学問の研究に回すがよい――それと、ワシのことは先輩と呼ぶんじゃ!!」
★破離求真(はりきゅうしん)
★忘形煉智(ぼうけいれんち)
★霊囿漫遊(れいゆうまんゆう)
★神機明悟(しんきめいご)
★思慮奇境(しりょききょう)
★妙道合一(みょうどうごういつ)
★転回弓術(てんかいきゅうじゅつ)
★非想風天(ひそうふうてん):俗見の壁を打ち砕き、真理の風はやがて求知者の霊囿にそよぐ。
★搏風秘道(はくふうひどう):古代遺跡に隠された未知なる智慧は、十分な敬意の念を払うべきである。
★迅速流風(じんそくりゅうふう)
★七窟遺智(しちくついち))
★
どうやってギミックを解いたかは覚えていないが、ファルザンは遺跡を出た時の状況を、おぼろげに思い出せる。
あの時、まずは光を感じた。目が開けられないほどの強い光に、彼女は思わず一歩下がった。
次は風だった。頬を撫で、腰や肩に触れる。それはまるで熱烈なキスで、彼女の帰還を歓迎しているようだった。
目を閉じていても、すべてが見えるような心地がした。彼女は風に向かって、一歩、また一歩と、百年ぶりの自由へ歩み初めた。
百年もの歳月は環境を変え、記憶を摩耗させ、彼女に帰る道を失わせるのに十分な時間だ。
しかし風の導きに従って、朦朧としながらも彼女は魔物や危険な場所を避け、よろけつつ荒野を歩いていた…懐かしく馴染みのない感覚が、彼女を襲うまで。
ファルザンが倒れた瞬間、彼女のお腹がぎゅるると鳴った。
「ああ…空腹感か?久しぶりじゃな…」
まさか、ギミックを解いて遺跡から脱出し、最後の最後に、生物の最も原始的な欲求を計算に入れ損ねていたとは。
風の音が弱まると、ファルザンは持ち堪えられなくなり、深い眠りについた。
……
一つのキャラバンがゆっくりと前進していた。すると突然風が巻き起こり、ある駄獣の目に砂が入ったようで、それ以上進んでくれなくなった。
商人たちは無理矢理駄獣を引っ張って列に戻そうとしたが、そこで遠くに何かが光っているのに気づいた。
「ほら、早く戻れ!何をそんなに見入ってるんだ?宝石でも見つけたか?」
「いや…えっ…おい待て!あそこに人が倒れてるぞ!」
遠くで気を失っているファルザンの傍らには、眩しい輝きを放つ神の目が横たわっていた。
キャラクターストーリー1
多くの教令院の学者にとって、百年前に活躍していたファルザンは、ずっと「伝説の人物」であった。
学んだ期間は決して長くなかったが、彼女はその間にスメールの大半の遺跡やギミックを分析して解明した。このおかげで後世の人々が様々な謎を解く難易度は大幅に下がったのだ。
彼女が残した手記や論述は後世に学科発展の堅実な基礎を残し、クシャレワー学院の無数の学者が探求する道を照らしてくれた。
彼女の「結末」もまた、その伝説の人生をさらに彩るものだ――ある遺跡を探索していた途中、ファルザンは急に「消え」、それから消息が途絶えた。
百年もの歳月の間に、彼女の消失は次第に不思議さを増して伝えられるようになった。
ある人は、彼女はキングデシェレトの古い知識に触れて、沈黙の殿に監禁されたと話す。
ある人は、彼女は才能を神々に認められ、高天の上で神々と共にあるようになったと話す――
伝説の人物には、伝説的な閉幕が相応しいと、人々は思っているのだ。
こうして、「伝説」は「現実」とかけ離れていった。
「じゃから、ギミックを解く時に普通に失敗して、遺跡に閉じ込められたんじゃ。何じゃ?大先輩が失敗してはならんというルールでもあるのか?」
キャラクターストーリー2
多くの後輩を驚かせたのは、ギミック術の領域で多くの成果を収めてきたファルザンは、実は文字研究をメインとする知論派の学者だという事実である。
簡単に言えば、彼女の研究領域は「石刻文字などの出土文献に基づいて古代遺跡の様々なギミックの構造と解き方を解明する」ことである。
百年前、教令院の古典ギミック研究はまだ未熟であった。そこへファルザンは古代文献によってギミックの動作を事前に予測し、遺跡の研究作業にかなりの利便性を提供した。
しかし、詳細が明らかになっていない遺跡が減っていくにつれて、妙論派のギミック関連学術も完全に近づき、彼女の研究は昔のような輝きを失ってしまった。
百年後、ファルザンが再び教令院に戻った時、知論派に彼女の論文が分かる学生はもういなかった。指導教員たちも彼女が提出した研究課題に対し、顔を見合わせるばかり。
一方、妙論派ではファルザンの手記を読んで卒業した学者が少なからずいる。彼女の苦境を聞き、クシャレワー学院へ移籍するよう説得を試みた学者は沢山いたが、成功した者は一人もいなかった。
説得する際には調子に乗って、「クシャレワー学院は将来ギミックを研究する実力を持つ唯一の学院だ」とか、「今はもう古代文字を解読する時代ではない!」と口走った学者がいたが、顔色を変えたファルザン先輩に丸二時限分もの時間、説教された。
その夜、学者はランバド酒場でやけ酒をし、落ち込んでいた。
知論派のある友人は彼の肩を叩き、一晩中慰めた。あまりの悔しさに、「明日知論派の答弁会で、あの頑固頭に仕返ししてやろう」という考えを胸に…
――次の日の夜、その友人もやけ酒の仲間入りをした。
キャラクターストーリー3
研究課題が審査に通らないこと以外で、今ファルザンが最も頭を抱えている問題は、如何にして気に入った学生を招くかということだ。
知論派の体験授業で一連のギミック術の専門用語を聞かせると、いつも学生たちはみな頭を掻くか、居眠りし始める。
するとファルザンは大変腹を立てて教鞭を投げ捨てると、当時の知論派の同僚が仕事を怠り、風紀を正さなかったから、こんな後輩ができたのだと非難する。
意外にも、学生たちは百年前の人々が罵倒されるのを、ギミック理論よりも興味津々で聞き入った――ファルザンはもっと怒った。
ギミック研究を志す学生は、ファルザン先輩に勧誘されると、初めは感謝するのだが、所属先が知論派だと分かった瞬間、難しい顔をしてもう少し考えたいと言葉を濁す。
そして、考えた末の返答をファルザンが尋ねるよりも先に――次会う頃には、もう妙論派の学生となっている。
ティナリに誘われて雨林の遺跡を調査した時、ファルザンは森の奥へと歩を進め、そこで敬虔な祈りを耳にした。「――知恵の神様、あたしに文字をもっと勉強させてくれ!」
…祈りの声は切実で、真摯なものだった。ファルザンは思わず感動してしまった――今のスメールに、文字を研究することに対し、これほどの情熱を持つ者がまだいたとは!
今の声は文字を知らない幼子のものには聞こえなかったし、サティアワダライフにいる学者のものでもなかった。一人で雨林の奥深くにまで入ってきたということは、腕がいい証明だ。もしかしたら森のギミックに対処した経験もあるかもしれない。
しばらく考えたのち、百年の経験を持つファルザンは、この人物こそ研究方向もあっていて、素質も上等であり、学生に相応しいと判断した。学生にするとその場で決意したファルザンは、木の後ろから厳かに姿を現した。
そうして、周りに誰もいないと思い込んでいたコレイの叫び声が、森にこだましたのであった…
叫び声を聞いたティナリは、すぐに駆けつけてきた。コレイのしどろもどろな説明と、隣から入れられる師匠のフォローによって、この大きな誤解は解けた。
ファルザンもこの若いレンジャーのことをだんだん深く知っていき、彼女を改めて理解した。そして、毎回ガンダルヴァー村を訪れる度に、必ず美味しい差し入れを持って行くようになった。
しかし、コレイの戸惑いはさらに深まることとなった。――誤解は解けたけど、あたしを学生にするって考えは…むしろ強まったんじゃないか?
「師を尊敬し」「勉学に勤しむ」学生は…教令院に沢山いるはずだろ?
コレイのどんな所に惹き付けられたのかは、ファルザン自身も気づいていないかもしれない。
その美点とは、尋常ならぬ苦難を経験しても尚、したたかに人生に立ち向かえるところだ。
キャラクターストーリー4
「遺跡に閉じ込められていた」百年については、ファルザン自身の記憶も曖昧だ。
あの遺跡の由緒も、所在も知らない。覚えているのはただ、キングデシェレト文明と関係していたということだけだ。中には沢山のギミックがあり、壁は暗号文で埋め尽くされていた。
遺跡の謎の力によって、彼女の身体状態は閉じ込められた瞬間のまま停まっていた。空腹感もなければ、疲労も知らない。しかし、精神的な疲れだけは消えなかった。
持っているすべてのペンと紙を使い果たしても、暗号文は一つも解けず、一生分の知識を使い果たしても、ギミックは一つとして解けやしなかった。
ファルザンは数え切れないレポート用紙に囲まれたまま、暗号文でぎっしりと埋め尽くされた丸天井をぼーっと見上げた。
沈黙する古代の謎は、無言でファルザンの無知を嘲笑い、現代人のちっぽけさを嘲笑っていた。
自分が誇りに思う研究や、歴代の学者が一生を費やして得た知識の蓄えも、古代文明の前には価値なきものなのだろうか?
ファルザンは再び這い上がると、石の破片を拾い、引き続き地面に何かを刻み始めた。
生きてさえいれば、まだ希望はある。今分からないことも、明日になれば分かるかもしれない。文明は存在し続ける限り、発展していくものだ。今の人々には解明できないものも、未来の人々は解明してくれるだろう。
最終的にここに骨を埋めたとしても、演算と試行錯誤の記録を残し、次の遭難者に生の希望を与えなければ。
これこそが古代言語学者の存在する意味なのだ。
一体どれほどの時間が経ったのだろうか――彼女の触れた地面には、難解な演算の記号がぎっしりと刻まれていった。
どれほどの時間が経ったのだろうか。記憶は曖昧になり、精神もぼんやりとしてきた。彼女は誰にも分からない言葉を呟きながら解読し続けた…
どれほどの時間が経ったのだろうか。彼女はやっとこの謎の答えを見つけた。
しかし、意識が混濁していたファルザンは、まだ知らなかった。真の苦難は、遺跡の外で待ち受けているということを。
キャラクターストーリー5
遺跡から脱出した後、ファルザンは長い休養を経て、やっと正常な意識を取り戻した。
記憶にあるのとはかなり違うスメールを見たファルザンは、自分がまだ遺跡の中にいて、ただの幻のギミックが目の前に映し出されているのだと思った。
教令院から派遣された者が、アーカーシャに残されている百年前の記録情報を頼りに彼女の身分を確認し、百年間の世の移り変わりを彼女に説明するに至って、ファルザンは百年もの時間が過ぎ去ったのだという事実をようやく少しずつ受け入れ始めた。
教令院の学者は妙論派の書籍を持ってきて彼女に見せた。ファルザンが表紙をめくると、扉に書いてある文章が目に入った。
「本書の多くの内容は、ファルザン先輩の論述と手記から来るものである。先輩が教令院に帰還した時、後世の学生がまだファルザン先輩の名を覚えていますように。」
ファルザンは故人がまとめた手記を読んだ。あの頃、共に議論し、未来に思いを馳せた同輩たちの姿がまぶたの裏に浮かぶ。しかし、あれはもう百年も前の話だ。
自分が知っている人も、自分のことを知っている人も、もういない。
スメールに帰ってきたのに、周りのすべては馴染みないもので、まるで異国を彷徨っているようだった。
風に乗って放浪する遊子でさえ、いつかは故郷に帰れる。でも彼女は時間の流れに乗って放浪し、もう過去には戻れない。
傍にいる学者は言葉を選んで、この百年間に何かあったのか問おうとしたが、どう尋ねれば、この大先輩を悲しませずに済むか分からなかった。
ファルザンは静かに本を閉じ、いつもと変わらぬ表情で過去を話し始めた。
「――ただ、一度実験に失敗したにすぎぬ。学者である以上、誰もが数回は経験することじゃろう?」
どんな状況においても、どんな時代を生きていても、ファルザンの時間はそこで停まったりしない。
毘藍婆重機(びらんばじゅうき)
多機能遺跡探索補助端末――コードネーム「毘藍婆」。これはファルザンが教令院に帰還した後に経費を申請できた、数少ないプロジェクトのうちの一つだ。
このギミックには、護衛と見回り、魔物退治、土砂清掃など様々な機能が搭載されている。ファルザン個人の好みで、触ったり押したりと暇つぶしに使える部品も多い。
しかし、意外なことに、この「家庭用・旅行用何にでも使える神グッズ」はマハマトラの一団を呼び寄せた。彼らは有無を言わせずファルザンの工房に押し入ると、コードネーム「毘藍婆」を細かく精査し始めた。
そして、一見用途のない部品を大量に見つけると、マハマトラたちの疑いはさらに深まった。ファルザンの「それはただのストレス発散用じゃ!!」という主張を無視し、彼女の新作を解体してくまなく調べようとしたのである。
しかし幸い、駆け付けてきた大マハマトラのセノが部下たちを止め、事なきを得た。
謎の失踪を遂げた上、その間に起きたことについて言葉を濁しているからには、ファルザンは何らかの秘密を抱えていると、マハマトラたちは疑っていた。
クシャレワー学院の誘いを断ったのは、知論派の審査員がギミックのことを理解していない点を利用して、危険なものを再現しようとしているからではないか、と。
何しろ、キングデシェレト文明に触れた学者は皆、その奇妙な英知に引き込まれずにはいられなかったのだから。そういう理由で、ファルザンがギミックを作り始めたと聞いた彼らは、ものものしい警戒態勢を取り、過敏な反応を見せたわけである。
セノはファルザンと関連するすべての記録を調べて、彼らの疑問点を一つひとつ潰していき、部下の僭越な行動についてファルザンに謝罪した。そして一人のマハマトラを残し、後始末を任せたのであった。
ファルザンはちょうど人手不足に悩まされていたので、この対応については大変満足だった。大マハマトラの公正な判断を気に入り、ファルザンは新作の命名を任せたいと思った。
すると、セノは少し考えた後、こんな意見を出した――このギミックは出力が高いし、マハマトラたちともこうして繋がりを持った…「大マッハマシン」にするのはどうだ?
…その時のファルザンは、キングデシェレト遺跡を見た時よりも困惑した表情だった。
ありがたいことに、すぐ傍にいたマハマトラが、クシャレワー学院が既に同名のギミックを出しているからとフォローを入れてくれた。冷めきった顔でファルザンはその場でその提案を断り、セノに命名の「深意」を問わなかった。
だが「大マッハ」と「マシン」の組み合わせを参考に、ファルザンは新作の名前を思いついた――「毘藍婆重機」は、こうして誕生したのである。
挨拶
●初めまして…:これは教令院から貰った優秀学者賞で、こっちはスメール謎解き協会から貰った生涯功績賞、そしてこっちが遺跡仕掛けシンポジウムの…どうじゃ、ワシに弟子入りしたくなったか?コホン、ちなみに先輩であるこのワシは知論派の学者じゃ。ワシを探すならクシャレワー学院じゃなく、ハルヴァタット学院に来てくれ。場所を間違えるでないぞ。
●世間話・ルール…:百年経とうが、教令院のばかげたルールは少しも変わっておらん…
●世間話・先輩…:はぁ――?何じゃと?歳だから耳が遠いのじゃ。まずは先輩と呼んでみい。
●世間話・学術研究…:学術研究は時流に乗るものではない。ゆえに、注目されていようがいまいが関係ないのじゃ。
●雨の日…:子供じゃあるまいし、雨が降ったくらいでワクワクするわけないじゃろう。
●雷の日…:うわっ!?な、何じゃ?年寄りだって雷は怖いんじゃぞ。
●雪の日…:なんと美しい…心が奪われるのう…ハクション!うぅ…風邪を引きそうじゃ…
●暴風の日…:気持ちよいな。やはり風通しのよいところは最高じゃ。
●砂漠にいる時…:回り回ってまたここに戻ったか…
●おはよう…:若者よ、朝には元気を出してシャキッとすべきじゃ!もう一度挨拶せい。
●こんにちは…:腹が減った…グランドバザールで何か食べぬか?ワシに好き嫌いはあまりない、斬新すぎる料理でさえなければ問題ないぞ。
●こんばんは…:驚くことはない。いつの時代も学者は徹夜で研究に取り組むものじゃ。夜は静かに考えごとができる貴重な時間なんじゃよ。
●おやすみ…:この古文を読んでおったら頭がぼうっとして、目がくらくらしてきた…今日はこれくらいにしとくかのう。早う寝るんじゃぞ、ワシも寝るからな、おやすみ。
●誕生日…:誕生日おめでとう!お前におもちゃを作ってやったぞ。ほれ、受け取るがよい。これには小さなギミック装置が詰め込まれておる――ここにボタンとスティックがあって…横にホイールもあるぞ…手の上で適当に遊ぶとよい。もし壊れたらワシが直そう。子ども扱いしてるじゃと?冗談言うでない。喜びと安息というものは大人も子供も関係ない、誰しも必要なものじゃ。
自己紹介
●自身について・先輩…:何を知りたい?台座装置のバリエーション?それとも元素石碑の基礎設計についてか?うむ、待て…さっき質問した時、先輩って呼ぶのを忘れておらんかったか?
●自身について・徒を持たぬ師…:ワシの生徒たちには、古文研究を心の底から好きであってほしい。もしそういった子に出会えなかったら、生徒を一人も持たずにこの一生を終えてもよい!えっ、なんじゃ?新入生に雑用をさせた件?放課後に先輩の手助けをするのはごく当たり前のことじゃろう?誰しもみんな、同じような経験をしてきたはずじゃ…
●生徒募集について…:真面目な話じゃが、ワシの生徒にならぬか?お前の状況に合った課題を用意して、他の誰よりも懇切丁寧に教えてやろう。現代における仕掛けの謎解きを重点的に、追加で関連する文献解読も伝授してやる…これら知識は今後の冒険に大いに役立つものじゃぞ。この経験者たるワシを信じられぬとは言わんよな?
●謎解きの問題について…:この百年の間、繰り返し謎を解いてきたワシは、いつの間にか感覚が無になっておった。そう、時間の流れさえも感じられなくなるくらいにな…。じゃが、今は違う。謎を解く時、もうワシは独りで戸惑うことなどない。お前と一緒に碑文を書き写したり、文字を解読したり、仕掛けを解いたり…研究の一分一秒を、ゆっくりと味わえるようになるかもしれぬからじゃ。
●「神の目」について…:ワシの学術的な能力?ふん、過去の栄光を語らずとも、それについては神でさえ認めたことじゃ。なぜ生徒が集まらないかというと…それはワシの問題ではなく、学科の問題でもない。おそらく、きっかけがないからじゃろう…ワシが神の目を授かったのだって、あるきっかけがあったからじゃ。
●シェアしたいこと・妙論派…:「クシャレワー学院は、これから先において唯一仕掛けを研究する能力を持つ学院である」…ふん、今となっては妙論派の宣言はあまりにも傲慢すぎる。ワシがスメールで謎解きしていた時、やつらはまだ積み木で遊んでおったかもしれんというのに。
●シェアしたいこと・知論派…:知論派の連中はいつも「知名度が低い」、「人気がない」といった理由でワシの研究費の申請を却下する。その基準じゃと、現在もっとも人数の少ない学派である知論派は、いっそハルヴァタット学院を閉鎖したほうがよいじゃろうな。
●興味のあること…:ワシは大小さまざまな遺跡に足を運んだことがある。限られた古代の図版や文字を解読すると、「遺跡ドレイク」は実に素晴らしい機械だと分かるんじゃ。うむ…「機械」という二文字で括るべきではないかもしれぬな。古代より残る「生命」と言っても過言ではない…
●ファルザンを知る・1:先輩であるこのワシの生い立ちは、そこらの文献にある資料よりも内容が長いぞ。百年も前から語らねばならぬからな…ほう、それでも聞きたいと?うむ、積極的に知識を求めるのは、学者にとって欠かせない素質じゃ。お前は合格じゃな。
●ファルザンを知る・2:昔、仕掛けの謎を解くために膨大な量の文献を研究し、解読する必要があった。自慢じゃないが、お前が解いた仕掛けとは次元がまったく違うぞ。不服か?いいじゃろう、お前が難しいと思うものを選んで、見せてみい。解くのに三十分以上かかったら、ワシの負けでよいぞ。
●ファルザンを知る・3:あのキングデシェレト遺跡に迷い込まなかったら、ワシはスメールにもっと貢献できたじゃろう…だが幸い、過去の手稿と論文は無駄にならんかった。今では妙論派がそれに便乗し、そのすべてがギミック学の基礎となっておる。ふふん、じゃからワシは「先輩」という肩書きにふさわしいのじゃぞ。
●ファルザンを知る・4:学者たるもの、失敗を素直に受け入れ、結果に対する責任を負うべきである…ゆえに他人に同情などされとうない――今も昔もじゃ!それに、ワシは自力で最後の謎を解いて、あの悲惨なところから抜け出せた…ワシを同情するよりも、そこから刺激を得て、啓発されるべきじゃろう?
●ファルザンを知る・5:ワシの研究領域の地位はもう昔ほどではない。知論派がワシの経費申請を通してくれなかったのも初めてではないんじゃ…妙論派からは何度も指導教員にならないかと誘われてきた。提示された条件は本当に魅力的なものじゃったよ――より高額な経費に、より多くの学生…じゃが、ワシは断った。なぜなら、誰も見向きもしない分野であろうと、責任を持って開拓し研究せねばならん。全人類の知恵を一歩前に押し進めることは、誰かがやらねばならぬことじゃからな。
●趣味:オルモス港に潜み、どこからともなく「骨董品」を高値で売りつける悪徳商人と傭兵がおる。じゃが、それらはすべて古くて使えないガラクタばかりなんじゃ!ふん、ワシはそれを見かけるたびに暴きにいく。「骨董品の鑑定」においては、「俗世の七執政」を除いて誰にも負けぬと思うぞ。
●悩み:百年前、ワシの一番の悩みは遺跡の碑文に書かれた情報を解読できぬことじゃったが…百年後の今、研究費が手に入らぬこと以上の悩みはない…はぁ!まったく難儀じゃのう…
●好きな食べ物:生地を焼くと、とても香ばしくてのう!機会があったら作ってやるぞ、ワシ世代の作り方と味をお前に見せてやろう。この「古風製法」は、グランドバザールを歩き回っても見つけられぬぞ。
●嫌いな食べ物:えっと、何じゃったか…確か、パティサラプリンと言ったかのう。あれは一体誰が発明したんじゃ?プリンは米で作るもんじゃろう?最近の発想はどんどん奇抜になっておって訳が分からん。いや…遠慮するぞ、ワシは試しに食べる気などないからな。たとえそれがお前の作ったものだとしてもじゃ。
●突破した感想・起:ほう、なかなか要領のいい若者じゃ。素材探しをパパっとこなすとはのう。
●突破した感想・承:ふむ?何かの仕掛けが解けたんじゃろうか?力がどんどん湧いてくるぞ。
●突破した感想・転:ほほう、頑張っておるようじゃな…安心せい、教え導き、守ってやるのが先輩の義務じゃ。お前を窮地に立たせはせん。
●突破した感想・結:知恵の海に果ては無く、百年の歳月をかけて目にできたのはほんの僅かな波のみじゃった…より深い学問と解けていない謎は、お前と一緒に取り掛かろう。
関連キャラクター
★カーヴェ:カーヴェは素質のある子じゃ。あやつと仕掛けの構造原理について話し合ったことがあるんじゃが、何というか…ロマンある考えと芸術的な思想にいささか溢れておった。しかし、自分なりの考えを持っておるのはなかなかに珍しいことじゃ。あやつは苦しい生活を送っておると聞いた。ゆえに、いつか経費が手に入ったら、ご馳走してやると決めておるのじゃ…待っておるんじゃぞ。
→ファルザン先輩は…率直にものを言うタイプなんだ。教令院の一部の生徒は彼女を恐れているらしいが、それも無理ないな。でも、別に先輩は悪巧みをしようと考えてるわけじゃなくて、ただ興味のある学問に専念しているだけだ。知論派の人間は付き合いにくいと言う人もいるけど、それはまあ…ははは…
君も、彼女から生徒にならないかって誘われただろ?確かに、先輩は時々気の狂ったセールスマンに見えることもある…だけど彼女の学識は本物だ。その点は間違いない。
★コレイ:コレイか…あの子は師を尊敬する上に、努力家で勉強熱心…本当に完璧な生徒じゃ!ああいう子に対しては、優しく励ましてやるべきなのに…ティナリのやつめ、あんな厳しくする必要があるんじゃろうか?~~まったく…何とかしてあの子をワシのところに引き込まんと…オホン!いやいや…先輩として…今の若者の勉強環境をどうにか改善せねば、と言いたかったのじゃ…
★セノ:セノのジョークは現代の文字と言語で構成されたものじゃというのに、その文法や文意からワシは言葉に隠された意味を推し量ることができぬ…何?言葉通りそのまんまで、ただのダジャレに過ぎないじゃと?本当か…?なら、あのジョークはあまりにもつまらぬものじゃ…
→以前、ファルザン先輩の失踪に関する書類を念入りに調べたことがある。先輩がとある危険な研究に関わっていたのではないかと疑ったんだ…だが、実際に彼女と会って、その考えは完全に覆された。多少付き合いにくくは感じたが、口うるさくも世話焼きな年長者のように、心の中ではいつも人のためを想ってる人だ。彼女が常軌を逸するようなことなどするはずがないと思ったよ。
★ティナリ:雨林の遺跡研究はワシにとって一番安心できるプロジェクトじゃ。さて、そのためにもティナリを呼ばんとな。歩く『雨林・サバイバルガイド』を身近に置いておくと面白いからのう。ワシはティナリより年を重ねておるが、あやつが見てきたキノコは、ワシが食べてきたものよりよっぽど多いんじゃぞ。
★クラクサナリデビ(ナヒーダ):知論派の研究が妙論派で応用できるように…そもそも知識に仕切りなど存在しないものじゃ。すべての学者はクラクサナリデビ様に感謝しておる――教令院を、いや、この知恵の学術都市であるスメールを私欲の束縛から解放し、知識を求める人々に知恵の海を探求する機会を与えてくれたんじゃからな…
→彼女の体は、キングデシェレト遺跡に残留していた力に影響されてしまったの…まるで時間という大きな亀の背から落ちて、永遠に置き去りにされてしまったかのように。興味があるなら、あるいは…彼女を通して、過去のスメールの片隅を覗けるかもしれないわね。
★ニィロウ:覚えておるぞ、確か礼儀正しい少女じゃったな。グランドバザールに何度か通ったら、ワシのことを覚えてくれてのう。しかも、他のやつにワシとケンカしないよう忠告してくれた。あの子の言う通りじゃ、今の若者たちはみんなニィロウを見習うべきじゃろう。
★レイラ:あやつはワシを見ると、頭を下げてわざと回り道することが時々あるんじゃ。だが夜中に会うと、ちゃんと挨拶することもある…なんともよく分からぬのう。まあよい、ルタワヒスト学院に入れるガキどもはそのほとんどが天才じゃ。天才には天才なりの変わった癖があるもんじゃし、大目に見てやろう。
→ファルザン先生は学生を募集できたのかな?知論派の人の話によると、彼女のプロジェクトには経費がなかなか降りないらしくて、学生が寄って来ないのも当然かも。はぁ…